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音楽療法の文献

パーキンソン病での4領域の効果

パーキンソン病での4領域の効果

パーキンソン病での音楽療法の効果について検証するために、2015年から20年までに発表された文献を対象に行われた系統的レビューです。

58編の文献がレビュー対象となり、そこから分かった音楽療法の効果は4つの領域に分けられるそうです。

まず、最も多くの文献が発表されていて、歩行などを含めた「運動領域」は安定的な効果を示しているそうです。

次に、「社会コミュニケーション領域」は、発声発話機能や嚥下機能までを含め、今後さらに研究をすすに値する根拠が得られている段階だそうです。

また、うつ状態はパーキンソン病患者さんによく見られる症状ですが、抗うつ薬を飲まない方も多く、そこに、動機づけや自尊心などの「感情領域」に働きかける音楽療法の重要性が謳われています。

最後に、「認知領域」です。
今回引用した文は、認知領域での音楽療法についてまとめる章から抜粋しました。認知機能への効果は、得られた文献の数が最も少なくまだ研究が不十分ですが、集団歌唱やピアノの練習などが用いられており、個人的に興味深く読ませていただきました。

全文を無料で読むことができます。

According to
「〜によれば」など参照元を示すときなどに、よく使われますね。
続く the participants は、言及している研究の参加者を指しています。
「その研究の参加者では、」などと訳せるでしょうか。

いつもどおり、述語動詞から探しましょう。
動詞に由来するものが4つあります。

singing は
sing の動名詞もしくは現在分詞型ですが、
今回は group singing の一部で、動名詞として使われています。
まとめて「集団歌唱」としましょう。

affects は
前に副詞の positively があり、三人称現在単数形にもなっているので、述語動詞っぽいですね。

was は
どうでしょうか。これも there was となっており、関係代名詞節のなかでもなさそうなので、述語動詞候補です。

being は
be動詞の原型 be に ing がついたもの、
つまり動名詞か現在分詞型かなと見当がつくかもしれません。

実際に進行形に受動態が重なると、例えば
Your dinner is being made!(「夕飯は作られている最中です」)で
受動態としての  is  made が
進行形になって is being made になって、being が使われます。

そのような文法的な読み解きも大切にしながら、
今回は being そのもので名詞でもある ということでお話を進めたいと思います。
名詞として「存在」「生き物」「人間」「本質」などが辞書に載っていますでしょうか。

例えば、human being で「ヒトの生き物」つまり「人間」です。

音楽療法では特に well being がよく聞かれるかと思います。
well-beingに当たる元来の日本語がないため「ウェルビーイング」のほうが一般的のようですが、
あえて読み解くと「良いあり方」つまり「幸福」や「健康」となるでしょうか。

well-being ないしは「ウェルビーイング」の本来の考え方は、
身体的な「健康」に限らないものだと思いますが、英語からは外れるのでここまでにします。

引用文に戻って、今回は their physical and mental being となってないます。
their は 先述の participants の所有格です。
「彼らの 身体的 そして 精神的 あり方」などと訳せるでしょうか。

よって、この being は文の述語動詞ではありません。

この文では、

group singing positively affects their quality of life,
and
there was an improvement in their physical and mental being,

と、2つの文がつながれており、

affects と was が述語動詞です

はじめの文の構造を整理します

述語動詞が見つけられたので、最初の文の後半を訳してみましょう。

was が述語動詞とわかりましたが、では there は何でしょうか。

there は、いつもは動詞を詳しくする副詞ですが、
There 構文 などと呼ばれるものがあり、
There + be動詞 + 〜
の形で 「〜がある」「〜が存在する」などの意味になります。

例えば
There is my guitar in my locked room.「鍵をかけた部屋にギターがあります(置いています)」
There were egg shakers spread around the piano.「ピアノの周りにエッグシェイカーが広げられてあった(散らばっていた)」
のように、物や生き物が「ある」「いる」という意味を示します。

位置的には、there が主語で was が述語動詞ですが、
意味の上では ( an improvement in their physical and mental being ) が主語ですね。

今回引用した文で「ある」ものは、an improvement 「向上・改善」です。
研究参加者の身体的および精神的あり方に「改善があった」つまり「改善がみられた」とのことです。

There に続ける be動詞は、意味的主語の数や時制に従います。
この文は、系統的レビューで引用した過去に行われた研究について話しており、意味的主語が an improvement と単数なので、
there was an improvement とbe動詞が was になっています。

There構文のように、この文を読み解くために、もうひとつ知っておく定形表現があります。

〜 as well as … は「〜はもちろんのこと…も」という意味の定形表現です。

🚧

で、not only〜 but also…で「〜だけでなく…も」という表現が出てきましたが、少し似ていますね。

〜 as well as … は「〜はもちろんのこと…も」と、〜が主体で、…がおまけのようです。
一方、not only 〜 but also…は「〜だけでなく…も」と、…を強調したいようです。

今回の文に当てはめてみると、
there was an improvement in their physical and mental being, as well as an improvement in social connectedness and sense of self in cognitive functioning.

という繋がり方になり、
「 an improvement in their physical and mental being はもちろんだが
 an improvement in social connectedness and sense of self in cognitive functioning もあった」ということです。

「あった」ことがもう一つ加えられて2つになったのに、
be動詞は were じゃなくていいのか、とお思いの方、とても鋭いかと思います。

実は、〜 as well as … では、あくまでも主体は 〜 の部分であるので、
be動詞は 〜 の部分に合わせられます。

今回の文では、an improvement in their physical and mental being に合わせて、
there was となっています。

social connectedness は長い単語ですが、分解してみると
connect + ed + ness
でできています。

「つながる」という意味の動詞 + 受動を表すed(過去分詞形) + ness
でできています。

ness は、本当は 接尾辞 と言って、名詞ではない語の最後について、その語を名詞にしてあげるものです。

connected だけでは 動詞の過去分詞形で「つなげ られ 」という意味だけなので、
それを「〜のこと・〜の状態」といった意味で名詞にしてくれます。

「つなげられること」つまり「つながり」、
social connectedness は「社会的つながり」と訳せるでしょう。

A as well as B
「Aはもちろんのこと、Bも」

最初の文を訳す方針は以下のようになります。

2つ目の文です。述語動詞を探しましょう。

候補は、having・effects・appears・be・strengthen と盛りだくさんですが、
having は後回しにして besides と併せてあとで解説します。

effects は動詞だ!と選んでくださると思いますが、
effect はそのままで名詞にもなります。
今回は direct effects on 〜 となっており「〜での直接的な影響」と訳し、名詞であると考えます。

appears は、appear だけだと「現れる」という意味ですが、
(例えば My guitar picks, which I never found when I was looking for, suddenly appears from my piano books.「昔探してて一向に出てこなかったギターピックが、急にピアノの本から現れた」)

appear to〜 となると、「〜に見える」つまり「〜らしい」という意味になります。
今回は appears to be a therapy なので、「a therapy のようだ」となります。

よって、be は appears to に続くものだとわかりました。

strengthen は、
見た目にヒントがありますが
strong 「強い」 − strength 「強さ」 − strengthen 「強くする」
と strong から派生した動詞です。

さきほど -ness という接尾辞が出てきましたが、 -en も接尾辞 です。
strength 「強さ」 + en 「〜にする」 =強くする・強化する となります。

今回は to不定詞 として
a therapy ◀︎ to strengthen cognitive abilities〕と
a therapy を詳しくする 形容詞的用法の不定詞 になっています。

以上をまとめると
appears to be a therapy to strengthen cognitive abilities は
「cognitive abilities を strengthen する a therapy である(be) ようだ(appears)」
となります。

この文の述語動詞は appears となります

では主語はどこでしょうか。

besides は前置詞 として「〜のほかにも・〜に加えて」という意味で、
先述の as well as に似て付加を表します。

having は、一般動詞 have が前置詞 beides に続いて 動名詞 になっており述語動詞ではありません。

besides having 〜 は ,(カンマ)で区切られていることから分かるように
Music therapy itself ,👇🈁 , appears to be a therapy to strengthen cognitive abilities.

besides having direct effects on motor skills and memory
が割り込んでいるのです。

意味としては、
, besides having ~, の箇所だけで「~をhaveすることにbesides」
つまり「direct effects on motor skills and memory を have することに 加え」となります。

意味や構造から考えても , besides having ~, は主語になり得ず

主語は Music therapy itself

ということになります。

2つ目の文を整理します。

となり

と訳せるでしょうか。

besides
前置詞「〜に加えて」

訳例は以下の通りです。