• 新生児集中治療室の水準を高める音楽療法

    神経学的音楽療法(Neurologic Music Therapy;NMT)のように、NICU-MTという専門資格があり、名乗るには音楽療法士資格を取得した上で専門訓練をさらに修了する必要があります。訓練の最初は講義で、その次に実地研修、最後にリーディングと試験が待っています。

    今回、オンラインで最初の講義を受講する機会を得ました。
    講義のトピックはNICU-MTのプロトコルのみならず、保護者の文化に配慮したカウンセリング手法や、保険の申請コードの話まで…
    代わる代わる先生が出てくるのですが(ほとんどの先生が博士号保有者で)一つ一つの説明に研究が引用されていて、統計的な話しも聞かれ、NICU-MTがエビデンスに徹底的に基づく姿勢に圧倒されました。

    この文献は、NICU-MTの普及のために導入的に書かれたのかなと思います。
    音楽である必要性、その具体的な介入例と背景理論、入院児にとっての利点に加え病院経営の上での利点やその根拠が簡潔にまとまっています。
    NICU-MTを処方する[目的]とそれに応じた[プロトコル]、その対象となる お子さんの[週齢]、期待される[アウトカム]、そしてその根拠となる[研究]がまとまった一覧表も、とても参考になります。

    無料で全文を閲覧することができます。


    一般動詞が3つありますが、

    conducted は
    research を詳しくする過去分詞形だと、すぐわかるかもしれません。
    a substantial body of research ◀ (conducted with premature infants)
    という構造です。

    「早産児を対象に実施された、相当な数の研究群」のような意になります。

    また、working は
    other specialties を詳しくする現在分詞で、
    other specialties ◀(working in NICU) という構造ですね。

    「NICUで働く他の専門職」のような訳になるでしょう。

    この文の 述語動詞は has です

    than は比較の英語を用いる際に、比較対象の前に置きます。

    今回は、substantial 「相当な数の」という形容詞に more をつけて、

    a more substantial body of research
    もっと substantial な body of research が」という比較表現になっており、

    その比較対象として other specialties があり、
    than other specialties で「other specialties よりも」という意味になります。

    including は 現在分詞型…?
    と見当をつけてくだされば、よく考えてくださっています。

    other specialties, which include speech therapy… と書けるものを
    other specialties, which includeing speech therapy… と、
    動詞を分詞型にして短くできるんですよね。

    「含む」という意味の一般動詞 include が現在分詞となって、
    including で「…を含めて」という意味でとれそうですね。

    そのような由来を持つのだろうと思うのですが、
    辞書を見てみると including を前置詞としていますね。
    「〜含めて」という意味で前置詞とするのが一般的なのかもしれません。

    このブログは、「音楽療法士さんに英語を『話せなくても』『書けなくても』『聞けなくても』いいが『読めてほしい』」という勝手な動機で運営していますが、現在分詞か前置詞かは、読む上では大きな問題ではないかもしれません。

    ただ、前置詞であるという前情報がなくとも、

    現在分詞かな?と見当を持つ力がついてくれれば 👍

    今回は other specialties 「ほかの専門職」の具体例として、
    speech therapy, occupational therapy, and physical therapy を挙げています。
    このように、具体例を列挙するときに including を使うときは、前に ,(カンマ)が置かれます。

    この解説を書くことになって初めて、including についてよく考えたのが本当のところなのですが、列挙するときは、たしかに , が必ずついているなあと改めて気づきました。

    一方、 , がついていないこともあります。
    including に続く内容が、その文を理解するのに不可欠な内容であることが多い気がします。

    , including 〜 となるのは、
    〜 の部分が、具体例を列挙していて、文の意味をとるのに不可欠ではないよ
    という意味で、 , で区切っているのでしょう。

    今回の文も、NICUで働く other specialties の内容は予測がつきますが、
    , including に続けて、speech therapy, occupational therapy, and physical therapy と具体例を付加して、より分かりやすくなっていますね。

    現在分詞か前置詞か問題に引き続き、こちらも読むために不可欠かわかりませんが、
    正確に訳すときには , があるかないかで意味も語順も変わります。

    それでは、はじめの文の構造を整理します。

    と整理され

    とおおまかに訳せるでしょうか。

    日本ではまだ馴染みのないNICU-MTが他の職種を凌駕するという意味合いを公開するのは気が引けるのですが、NICU-MTは米国では20年以上の臨床研究の下地があり、早産児のニーズに特化した専門訓練を最初に始めたのもNICU-MTだそうです。

    主語が The research で、
    一般動詞 show に、三人称単数現在形の s がついています。

    述語動詞に成り得るのは shows だけ

    consistently は
    形容詞 consistent「一貫性のある」
    副詞 consistently「一貫して・矛盾なく」を一緒に覚えてしまいましょう。

    今回は shows を詳しくする副詞です。

    となり

    という方向で訳すことができます。

    最後の文です。

    まず、 It is time to… は、
    不定詞を用いた、よく見られる表現です。

    time ◀ (to raise) と、time を 不定詞 to raise が詳しくして、
    「raise (the standard of NICU care for premature infants)する時だ」と言っています。

    to improve も不定詞 ですね。
    前に NICU-MT がありますが、これは inclusion of NICU-MT の一部なので、

    ✗ by inclusion of NICU-MT◀(to improve) のように名詞的用法ではなく、

    「〜するために」という不定詞の副詞的用法で、
    動詞raise を詳しくして、「…improve するために、raiseする」という枠組みになります。

    よって最後の文の

    主語は (特別な使い方の)It で、述語動詞は is です

    まず大枠を整理します。

    となります。

    It は何を指しているの とお思いになったかもしれませんが、
    今回の It は、前にでてきた何かを指している it ではなく、
    中学生でみんなが「へ…?」となる、 特別用法の it です。

    時間や季節などの話しをするときに、無理やり主語になってもらう it です。

    また、 infants born prematurely は「産む」という意味の一般動詞 bear の
    過去分詞形 born に副詞である prematurely がついて「早期に生まれた乳児」と直訳できますが、
    意味は、先にできてきた premature infants と同意と考えててよいと思います。

    訳例は以下の通りです。

  • パーキンソン病での4領域の効果

    パーキンソン病での音楽療法の効果について検証するために、2015年から20年までに発表された文献を対象に行われた系統的レビューです。

    58編の文献がレビュー対象となり、そこから分かった音楽療法の効果は4つの領域に分けられるそうです。

    まず、最も多くの文献が発表されていて、歩行などを含めた「運動領域」は安定的な効果を示しているそうです。

    次に、「社会コミュニケーション領域」は、発声発話機能や嚥下機能までを含め、今後さらに研究をすすに値する根拠が得られている段階だそうです。

    また、うつ状態はパーキンソン病患者さんによく見られる症状ですが、抗うつ薬を飲まない方も多く、そこに、動機づけや自尊心などの「感情領域」に働きかける音楽療法の重要性が謳われています。

    最後に、「認知領域」です。
    今回引用した文は、認知領域での音楽療法についてまとめる章から抜粋しました。認知機能への効果は、得られた文献の数が最も少なくまだ研究が不十分ですが、集団歌唱やピアノの練習などが用いられており、個人的に興味深く読ませていただきました。

    全文を無料で読むことができます。


    According to
    「〜によれば」など参照元を示すときなどに、よく使われますね。
    続く the participants は、言及している研究の参加者を指しています。
    「その研究の参加者では、」などと訳せるでしょうか。

    いつもどおり、述語動詞から探しましょう。
    動詞に由来するものが4つあります。

    singing は
    sing の動名詞もしくは現在分詞型ですが、
    今回は group singing の一部で、動名詞として使われています。
    まとめて「集団歌唱」としましょう。

    affects は
    前に副詞の positively があり、三人称現在単数形にもなっているので、述語動詞っぽいですね。

    was は
    どうでしょうか。これも there was となっており、関係代名詞節のなかでもなさそうなので、述語動詞候補です。

    being は
    be動詞の原型 be に ing がついたもの、
    つまり動名詞か現在分詞型かなと見当がつくかもしれません。

    実際に進行形に受動態が重なると、例えば
    Your dinner is being made!(「夕飯は作られている最中です」)で
    受動態としての  is  made が
    進行形になって is being made になって、being が使われます。

    そのような文法的な読み解きも大切にしながら、
    今回は being そのもので名詞でもある ということでお話を進めたいと思います。
    名詞として「存在」「生き物」「人間」「本質」などが辞書に載っていますでしょうか。

    例えば、human being で「ヒトの生き物」つまり「人間」です。

    音楽療法では特に well being がよく聞かれるかと思います。
    well-beingに当たる元来の日本語がないため「ウェルビーイング」のほうが一般的のようですが、
    あえて読み解くと「良いあり方」つまり「幸福」や「健康」となるでしょうか。

    well-being ないしは「ウェルビーイング」の本来の考え方は、
    身体的な「健康」に限らないものだと思いますが、英語からは外れるのでここまでにします。

    引用文に戻って、今回は their physical and mental being となってないます。
    their は 先述の participants の所有格です。
    「彼らの 身体的 そして 精神的 あり方」などと訳せるでしょうか。

    よって、この being は文の述語動詞ではありません。

    この文では、

    group singing positively affects their quality of life,
    and
    there was an improvement in their physical and mental being,

    と、2つの文がつながれており、

    affects と was が述語動詞です

    はじめの文の構造を整理します

    名詞being
    「存在」「生き物」
    human being
    well being

    述語動詞が見つけられたので、最初の文の後半を訳してみましょう。

    was が述語動詞とわかりましたが、では there は何でしょうか。

    there は、いつもは動詞を詳しくする副詞ですが、
    There 構文 などと呼ばれるものがあり、
    There + be動詞 + 〜
    の形で 「〜がある」「〜が存在する」などの意味になります。

    例えば
    There is my guitar in my locked room.「鍵をかけた部屋にギターがあります(置いています)」
    There were egg shakers spread around the piano.「ピアノの周りにエッグシェイカーが広げられてある(散らばっている)」
    のように、物や生き物が「ある」「いる」という意味を示します。

    位置的には、there が主語で was が述語動詞ですが、
    意味的には ( an improvement in their physical and mental being ) が主語ですね。

    今回引用した文で「ある」ものは、an improvement 「向上・改善」です。
    研究参加者の身体的および精神的あり方に「改善があった」つまり「改善がみられた」とのことです。

    There に続ける be動詞は、意味的主語の数や時制に従います。
    この文は、系統的レビューで引用した過去に行われた研究について話しており、意味的主語が an improvement と単数なので、
    there was an improvement とbe動詞が was になっています。

    There構文のように、この文を読み解くために、もうひとつ知っておく定形表現があります。

    〜 as well as … は「〜はもちろんのこと…も」という意味の定形表現です。

    パーキンソン病での4領域の効果

    で、not only〜 but also…で「〜だけでなく…も」という表現が出てきましたが、少し似ていますね。

    〜 as well as … は「〜はもちろんのこと…も」と、〜が主体で、…がおまけのようです。
    一方、not only 〜 but also…は「〜だけでなく…も」と、…を強調したいようです。

    今回の文に当てはめてみると、
    there was an improvement in their physical and mental being, as well as an improvement in social connectedness and sense of self in cognitive functioning.

    という繋がり方になり、
    「 an improvement in their physical and mental being はもちろんだが
     an improvement in social connectedness and sense of self in cognitive functioning もあった」ということです。

    「あった」ことがもう一つ加えられて2つになったのに、be動詞は were じゃなくていいのか、とお思いの方、とても鋭いかと思います。

    実は、〜 as well as … では、あくまでも主体は 〜 の部分であるので、
    be動詞は 〜 の部分に合わせられます。

    今回の文では、an improvement in their physical and mental being に合わせて、
    there was となっています。

    social connectedness は発音に困るほど長いですが、よくみると
    connect + ed + ness
    でできています。

    「つながる」という動詞 + 受動を表すed(過去分詞形) + ness
    と分解できますが、

    ness は、本当は 接尾辞 と言って、名詞ではない語の最後について、その語を名詞にしてあげるものです。

    connected だけでは 動詞の過去分詞形で「つなげられる/た」という意味だけなので、
    それを「〜のこと・〜の状態」といった意味で名詞にしてくれます。

    「つなげられること」つまり「つながり」、
    social connectedness は「社会的つながり」と訳せるでしょう。

    最初の文を訳す方針は以下のようになります。

    2つ目の文です。述語動詞を探しましょう。

    候補は、having・effects・appears・be・strengthen と盛りだくさんですが、
    having は後回しにして besides と併せてあとで解説します。

    effects は動詞だ!と選んでくださると思いますが、
    effect はそのままで名詞にもなります。
    今回は direct effects on 〜 となっており「〜での直接的な影響」と訳し、名詞であると考えます。

    appears は、appear だけだと「現れる」という意味ですが、
    (例えば
    My guitar picks, which I never found when I was looking for, suddenly appears from my piano books.
    「昔探してて一向に出てこなかったギターピックが、急にピアノの本から現れた」)

    appear to〜 となると、「〜に見える」つまり「〜らしい」という意味になります。
    今回は appears to be a therapy なので、「a therapy のようだ」となります。

    よって、be は appears to に続くものだとわかりました。

    strengthen は、
    少し見た目にヒントがありますが
    strong 「強い」 − strength 「強さ」 − strengthen 「強くする」
    と strong から派生したものです。

    さきほど -ness という接尾辞が出てきましたが、 -en も接尾辞 です。
    strength 「強さ」 + en 「〜にする」 =強くする・強化する となります。

    今回は to不定詞 として a therapy ◀︎ to strengthen cognitive abilities〕と
    a therapy を詳しくする 形容詞的用法の不定詞 になっています。

    よって、appears・be・strengthen はまとまって、
    appears to be a therapy to strengthen cognitive abilities. は
    「cognitive abilities を strengthen する a therapy である(be) ようだ(appears)」
    となります。

    では besides having〜 です。

    besides は前置詞として「〜のほかにも・〜に加えて」という意味になります。
    as well as に続いて、ここでも【付加】を表すことばが出てきました。

    having は、一般動詞 have が前置詞 beides に続いて動名詞になっており述語動詞ではありません。

    よって、

    この文の述語動詞は appears となります

    Music therapy itself 👇 appears to be a therapy to strengthen cognitive abilities.
    besides having direct effects on motor skills and memory が割り込み

    Music therapy itself, (besides having direct effects on motor skills and memory, appears to be a therapy to strengthen cognitive abilities.
    となりました。

    2つ目の文を整理します。

    となり

    訳例は以下の通りです。