• 新生児集中治療室の水準を高める音楽療法

    「エビデンスに基づく包括的NICU-MTプログラムの利点:早産児のための家族中心的・神経発達学的音楽療法」

    原題:  Benefits of a Comprehensive Evidence-Based NICU-MT Program:
         Family-Centered, Neurodevelopmental Music Therapy for Premature Infants
    著者:  Jayne M. Standley and Ciele Gutierrez
    発表:  2020年
    掲載誌: Pediatric Nursing
    掲載号: Volume 46, Issue 1
    DOI:  なし

    新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit;NICU)での音楽療法は、フロリダ州立大学のDr.Standleyを中心に、エビデンスに基づいて組み立てられた臨床です。

    神経学的音楽療法(Neurologic Music Therapy;NMT)のように、NICU-MTという専門資格があり、名乗るには音楽療法士資格を取得した上で専門訓練をさらに修了する必要があります。訓練の最初は講義で、その次に実地研修、最後にリーディングと試験が待っています。

    今回、オンラインで最初の講義を受講する機会を得ました。
    講義のトピックはNICU-MTのプロトコルのみならず、保護者の文化に配慮したカウンセリング手法や、保険の申請コードの話まで…
    代わる代わる先生が出てくるのですが(ほとんどの先生が博士号保有者で)一つ一つの説明に研究が引用されていて、統計的な話しも聞かれ、NICU-MTがエビデンスに徹底的に基づく姿勢に圧倒されました。

    日本でこうしたエビデンスに依った音楽療法をNICUで実践できる可能性はまだ低いと思いますが、根拠を積み重ねた臨床形態について学ぶことができただけでも有意義な機会となりました。

    この文献は、NICU-MTの普及のために導入的に書かれたのかなと思います。
    音楽である必要性、その具体的な介入例と背景理論、入院児にとっての利点に加え病院経営の上での利点やその根拠が簡潔にまとまっています。
    NICU-MTを処方する[目的]とそれに応じた[プロトコル]、その対象となる お子さんの[週齢]、期待される[アウトカム]、そしてその根拠となる[研究]がまとまった一覧表も、とても参考になります。

    無料で全文を閲覧することができます。

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  • 子どもの音楽発達

    「音楽的発達という概念の振り返り」

    原題:  Reflections on the concept of musical development
    著者:  Graham F. Welch
    発表:  2022年
    掲載誌: British Journal of Music Education
    掲載号: Volume 39, Issue1
    DOI :  https://doi.org/10.1017/S0265051721000310

    認知発達や言語発達段階について勉強することが多いので、関連して音楽的側面の発達についてまとめて知りたいな…と調べていて出会った文献です。

    SwanwickさんとTillmanさんが1986年に発表した
    ‘The Sequence of Musical Development’「音楽発達の一連の過程」
    は音楽教育の分野ではランドマーク的な文献だそうで、
    その発刊から35年経った今年、音楽教育分野での音楽発達の研究変遷についてWelchさんが振り返っています。

    私が探していた内容からやや外れていたのですが、読んでみると

    ・「音楽発達」というものがどのように捉えられて研究され
    ・現在どんなことがわかっているか
    ・そして音楽教育者が子どもたちやその音楽性をどう捉えたらいいか

    がわかり、音楽療法にも通じる内容が多くありました。

    なかでも The Sounds of Intent という研究プロジェクトは音楽発達から学習障害やASDに関係するものだそうで、特に気になりました。

    1986年に発表された The Sequence of Musical Development もいずれ読んでみたいと思います。

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  • 人工内耳装用児の言語音声知覚

    「人工内耳を装用する小児の言語音声知覚の拡大に重要な音楽的要素:系統的レビューとメタ分析」

    原題: Crucial Music Components Needed for Speech Perception Enhancement of Pediatric Cochlear Implant Users: A Systematic Review and Meta-Analysis
    著者: Ab Shukor N.F, Han W, Lee J, & Seo Y.J.
    発表: 2020年
    掲載誌:Audiology and Neurotology
    掲載号:Volume 26
    DOI : https://doi.org/10.1159/000515136

    聴覚障害を持つお子さんの言語発達を目的とした音楽療法は日本ではまだ一般的ではありませんが、海外の臨床や研究からはどのようなことがわかっているのでしょうか。

    この文献では、人工内耳を装用するお子さんの聴覚リハビリテーションに音楽を用いた14また18編の文献を分析し、その効果を音程・音色・和音・リズムという音楽要素に分けて検証しています。

    詳しく多方面からの分析の結果を踏まえ、最後のまとめから1文を読んでみましょう。

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