• 新生児集中治療室の水準を高める音楽療法

    神経学的音楽療法(Neurologic Music Therapy;NMT)のように、NICU-MTという専門資格があり、名乗るには音楽療法士資格を取得した上で専門訓練をさらに修了する必要があります。訓練の最初は講義で、その次に実地研修、最後にリーディングと試験が待っています。

    今回、オンラインで最初の講義を受講する機会を得ました。
    講義のトピックはNICU-MTのプロトコルのみならず、保護者の文化に配慮したカウンセリング手法や、保険の申請コードの話まで…

    代わる代わる先生が出てくるのですが(ほとんどの先生が博士号保有者で)一つ一つの説明に研究が引用されていて、統計的な話しも聞かれ、NICU-MTがエビデンスに徹底的に基づく姿勢に圧倒されました。

    この文献はNICUでの音楽療法の普及を目的にしているようで、NICUで音楽である必要性・その具体的な介入例と背景理論・入院児にとっての利点に加え病院経営の上での利点やその根拠が簡潔にまとまっています。

    NICU-MTを処方する[目的]とそれに応じた[プロトコル]、その対象となる お子さんの[週齢]、期待される[アウトカム]、そしてその根拠となる[研究]がまとまった一覧表も、とても参考になります。

    無料で全文を閲覧することができます。

  • パーキンソン病での4領域の効果

    パーキンソン病での音楽療法の効果について検証するために、2015年から20年までに発表された文献を対象に行われた系統的レビューです。

    58編の文献がレビュー対象となり、そこから分かった音楽療法の効果は4つの領域に分けられるそうです。

    まず、最も多くの文献が発表されていて、歩行などを含めた「運動領域」は安定的な効果を示しているそうです。

    次に、「社会コミュニケーション領域」は、発声発話機能や嚥下機能までを含め、今後さらに研究をすすに値する根拠が得られている段階だそうです。

    また、うつ状態はパーキンソン病患者さんによく見られる症状ですが、抗うつ薬を飲まない方も多く、そこに、動機づけや自尊心などの「感情領域」に働きかける音楽療法の重要性が謳われています。

    最後に、「認知領域」です。
    今回引用した文は、認知領域での音楽療法についてまとめる章から抜粋しました。認知機能への効果は、得られた文献の数が最も少なくまだ研究が不十分ですが、集団歌唱やピアノの練習などが用いられており、個人的に興味深く読ませていただきました。

    全文を無料で読むことができます。

  • 精神科での実践調査

    精神科の音楽療法ではどんなことが行われるのでしょうか。

    精神科で働く音楽療法士たちによるアンケートの回答から、実施している施設や、臨床哲学、介入の内容、治療目標などを記述的に評価報告してくれ、精神科音楽療法について俯瞰できる文献です。

    調査報告の要約部分を読んでみましょう。

  • 幼児期のことばの発達

    幼児期のことばの発達について、発達・神経科学・言語発達の枠組みから研究をまとめて、どのように音楽に応用できるか示しながら、

    SLI(Specific Language Impairment; 特異的言語発達障害)を例に、

    根拠に基づいた言語発達支援の臨床への示唆を与えてくれる文献です。